【Mr.Children】田原健一が鳴らす、彼にしか出せない音【僕のHERO】

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僕はMr.Childrenのメンバーの中で、田原さんが大好きだ。

そんな話を、少しだけ。

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僕が田原健一を好きになった訳

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Mr.Childrenのギター、田原健一
僕はなぜ、彼のことをこんなにも好きになったんだろう。

ライブでも「田原ーっ!」と叫んでばかりだ。

周りの人には「さん」をつけろとか思われてるのかもしれないけど、僕は僕なりの敬意と愛を込めて彼の事を呼んでいる。

好きな対象に向けて、自分の好きな様に呼ぶのが気持ちいい。それが一番の賛辞であり、愛情だと思ってる。

だからライブで彼が紹介されると、僕は大きな声で彼の名前を呼ぶ。

彼が体を揺らせば、僕も体を揺らす。
クランチのきいたテレキャスターが音を鳴らす度、僕の耳はその一音一音を追いかける。
彼がメンバーと笑顔を交わす時、僕もきっと一緒になって笑っている。


僕が彼を好きなのは、多分彼がまっすぐ生きているだからだ。


インタビューではいつも口数少なく
奥さんの出産に対し「感動した」と言い
体全体で音楽になろうとリズムを刻む

メンバーの事を気遣い、時には叱り
テレビで浜ちゃんにイジられても上手く返せず
ひとつの音に対して自分の満足のいく音色を求める

会場全体に深くふかくお辞儀をし
電車で音楽を聴いている僕らをよく観察し
自分の音をボーカルに寄せ、どうしたらより良く皆に聴こえるか考えている



そんな真面目さに惹かれたのかもしれない。
不器用で口下手で、人と音楽への愛で溢れている。

僕も彼の様にまっすぐに生きてみたい。

そんな彼の事が、好きになった。


田原さんの好きな物たち

野球、青いギター、ポール・オースター、旅の話、トレモロ、カキフライ、車の運転、靴、晴れた静かな朝、家族、喜び。


きっと僕が好きな物を10個選べと言われたら、彼の名前が入るだろう。


田原健一にしか弾けない音

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彼はお世辞にもギターが凄く上手いギタリストとは言えない。僕もギターをかじっているのでわかる。

リズムを取っている割にはリズム感が無いし、ボトルネックのソロは間違えないかとヒヤヒヤする。笑
ソロなんて基本弾きたがらないし、目立ちたがりもしない。


そんな彼のギターが好きな理由。


僕は『間違いなく彼にしか出せない音』があると思っている。


僕はMr.Children以外に好きなアーティストがたくさんいる。
彼らは凄いテクニックやパフォーマンス、世界観で人々を魅了している。

だけど間違いなく、田原健一でしか出せない音を僕は知ってる。
上手いミュージシャンが真似しようと思っても、きっと同じ様にはできない。

そんな音が愛と敬意で受け入れられた時、人はそれを『独特』や『味』と表現する。

そう、彼は独特で味のあるギタリストなんだ。

そこに彼の人間性が加わればどうだろう。たちまちそこには一つの世界が生まれる。

Mr.Childrenの音楽は、そんなギタリストの音で構成されている。


「タガタメ」

 

この曲はボトルネックを使った田原さんのソロがとても印象的。
何度か登場するそのフレーズに、僕らの耳は熱く訴えかける曲の世界に惹きつけられていく。

オンタイムから少し外れた、少しもたつく様な印象。
それでいて感情が階段を駆け上がる様に気持ちを高ぶらせる音。


僕はこの曲が綺麗に譜面通り弾いた表現方法が正解だとは思わない。
彼が出しているのは音であり、声だ。

その声は叫びなのか、祈りなのか、決意なのか。

曲の展開と相まって徐々にビルドアップされていく言葉、音、感情。
そこに田原さんの独特のテンポ感や音の出し方があって、完成されている曲だと思っている。

リズム隊のテンポ感が上がっていく中で、あのボトルネックのフレーズが入る事で絶妙な混沌が生まれる。

この曲は田原健一が弾く事で、Mr.Childrenの楽曲としての輝きを放つと思う。
 
 

Mr.Children 「Documentary film」 from “MINE”
新しく僕らの元へ届けられたアルバム「SOUNDTRACKS
その中の楽曲「Documentary film」では、彼の弦に対する思いが体現されたサウンドを感じる。
 
全く派手ではない、しかし奏でられるブルージーな哀愁。
体を揺らし音に全てを委ねながら奏でる、1音1音の重み。
 
僕はこの楽曲の間奏で演奏されるフレーズが大好きだ。

好き、という言葉では形容できないくらい。彼の味はそんな言語化できない気持ちを、僕たち聴き手に与えてくれる。

 

田原健一はギターで歌を唄っている

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田原さんは桜井さんのボーカルを引き立たせるために、自身のフレーズを活かしている。
決してただ目立っていない訳じゃない。

彼の音をよく聴いてほしい。


ボーカルフレーズの合間を縫うように奏でるギターフレーズを。
1フレーズを歌い終わる頃に音を入れたり、メロディに呼応するように音を鳴らす。

僕は「擬態」のサビに関しては、本当に唄うようなフレーズだと思っている。
ボーカルを邪魔することなく、それに寄り添いコーラスの様に奏でるメロディ。

ギターで弾いていても本当に気持ちよく、気分が高揚する。


そして時には会場と唄う。
一つひとつのフレーズを確かめる様に弾きながら、会場を見回す。

彼は寡黙で口下手だ。
けれど、ライブでは違う顔を見せてくれる。

観客とコミュニケーションを取っている姿を見ると、僕らと想いを交換しようとしている気がする。

「声」は田原さんらしいギターフレーズが多い楽曲だ。

絶妙にクランチがかったサウンド。
アルペジオで奏でる音の一つひとつが、僕らの胸に響く。

徐々に音階を上げて静かに楽曲盛り上げ、抜けた高音を挟む彼らしいソロフレーズ。

 
『歌うようなギター』というのは叙情的だったり込みあげるような感情表現のギターフレーズに使われがちだ。

けどきっと彼は、桜井和寿が紡ぐ歌が好きなのだろう。
口ずさむ様な、一緒に楽しんで唄うような、時には歌い手や聴き手の声に寄り添うような。

そんな印象を受ける。

 

彼はライブでよく歌詞を口ずさんだりしている。そんなシーンが僕は大好きだ。


 

田原健一が鳴らす『HERO』

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僕は思い出に残っている曲がある。

『HERO』だ。

僕が初めてMr.Childrenを好きになったのは『DISCOVERY』が発表された頃。

そこからずっとCDを聴き続けて、いつしか彼らのライブに行きたくなった。

テレビで見たりCDで聴いているアーティストに会いに行く。
子供の頃の僕は、ライブに行くというのがなんとなく大人になった感じがしていた。

行きたいと思ってもライブに行く方法がわからなかったり、応募が既に締め切られていたり、学生でお金が満足に無かったり。

僕の夢はどんどん先に延びて行った。


僕が初めて買ったCDは、『HERO』だった。
今までレンタルCD屋で借りていたプラスチックのケースはなくて、紙の温かみのあるジャケット。

なんとなく自分にとって特別な感じがして、何度も何度も聴いた。


桜井さんが小脳梗塞に倒れた後に復活した『WONEDERFUL WORLD on DEC 21』
このライブにも行きたかったけれど、夢は叶わなかった。

僕は雨の中、友人と新横浜まで自転車を走らせて横浜アリーナに行った。
会場になんて入れるわけが無い。
そんなのは子供の僕たちでもわかっている。

だけど何かあるかもしれない。そんな妙な期待の感情だけを高ぶらせて走った。


アリーナに着くと周りは『チケットを譲ってください』というボードを持った人が何人、いや何十人もいた。

驚いた。Mr.Childrenはすごく有名なバンドで、好きな人はたくさんいるとわかっていた。
けれどそれはどこか虚構のイメージで、僕はただ数人の友人とCDを聴いていただけ。

今目の前に広がっているのは、これから彼らの音楽を聴ける人、聴けない人。
こんなにも彼らの音楽を好きな人がいて、この出来事を人生の1ページに加えようとしている。

僕はそんな姿を初めて目にした。Mr.Childrenという存在の大きさを知った。


会場外でチケットを売りさばく人を見ると、驚くような値段だった。
泣いている人もいれば、笑顔で話している人もいた。

色々な人の気持ちや思惑、人生がそこにはあった。

少しだけアリーナから漏れる音を聴いて、その日は帰宅した。



その数日後、フジテレビで深夜に一夜限りのライブのドキュメンタリーが放送されていた。

僕はそれを食い入るように見た。
4人がそこには確かに存在していて、あの時に僕と彼らを隔てていたのはコンクリートの壁1枚。

田原さんが演奏している姿は、飾らない姿でいつも通りの彼だった。
HEROは最後に演奏されていて、彼が感情を込めて弦を鳴らす姿に僕は胸が熱くなった。


あの夜、彼らはあんな表情で演奏をしていたんだ。
絶対次こそは、彼らと会いたい。会いに行きたい。


そしてシフクノオトツアーのチケットを取ることができた僕は、友人とライブに向かった。

今でもあの小机駅から歩く時の高揚感を忘れない。


会場に入るとそこは別世界だった。
見た事も無い様な大きなセットが組まれていて、そこで彼らが演奏をする。


開演と共に1曲目の終わりなき旅。
桜井さんの声がCDと少し違う様な印象を受けたのを覚えている。

というか、目の前の光景が理解できていなかったのだろう。
ずっとCDで聴いていたイメージの存在が、今目の前で唄い演奏をしている。

全てが特別だった。もうあんな感情はライブでは味わえない。一度きりの風景。


そしてシンセの音から、あのイントロが流れた。

HEROだ。

ライブを通して興奮していたけど、ここだけは今でもはっきり覚えている。

あのHEROだ。目の前で田原さんが演奏している。
これを僕は聴きにきたんだ。
この景色を目にしにきた。

生で聴くHEROはとても力強くて、CDで聴く音とは全く違った。
歌のメッセージ性は勿論だけど、感情がのった音圧に圧倒された。

2番が終わった間奏で、田原さんは必死にギターを鳴らしていた。

そして最後のサビ。
オーバードライブがかかったオクターブ奏法。

HEROはこの先何度も演奏されているけれど、田原さんのこの力強い奏法が聴けるのは『WONEDERFUL WORLD on DEC 21』と『シフクノオト』の2回だけ。
あとの演奏はピアノ主体になっているか、田原さん自体の演奏もクランチのストロークになっている。


この後も何度か聴いているけど、やっぱりこの時が僕にとって最高のHEROだった。
最初のライブは、最高の体験になった。

この時のHEROと田原さんが、いつまでも忘れられない。


 

田原健一が好きだ

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僕はMr.Childrenの音が好きだ。
田原健一の奏でるギターが大好きだ。

彼は決して目立つ存在ではない。
けれどバンドに絶対的に必要なプレイヤーであり、愛される存在だ。


桜井さんから『響きと音の求道者』と称される様に、彼だけの世界がある。

体を揺らしカッティングをする動き、目をつぶりトレモロの音に重ねる心、口を捻らせてワウペダルを踏む足元、感情を乗せてストロークする姿、遠くを見つめながら奏でるアルペジオ


田原さんが何気なく演奏中に見せるその姿。
僕たちに最高の音を届けてくれる、彼のそんな姿が好きでたまらない。

これから彼がどんなフレーズを僕らに聴かせてくれるのか。


いつまでも、その姿を僕は見ていたい。


 

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