Search of the Good Life

kumaが家事や音楽や映画や考え事について静かに綴るメディア。

『REFLECTION』全てのMr.Childrenファンに向けられた大傑作

こんにちは、kumaです。


Mr.Childrenは現在セルフプロデュースで活動をしています。
そんな中生み出された最初の1枚『REFLECTION



今回はセルフプロデュースの視点でこのアルバムを考えていきます。


『REFLECTION』が持つ意味

既存の流れにとらわれない音の提供

リリース→ツアーという従来の形式以外の方法を模索していた桜井和寿が。
新曲を含めた内容のツアーを先に行い、最終的にアルバムを発売するという物。

狙い通りリスナーは、音楽を初めて聴く高揚感新鮮さを存分に味わう事ができました。


同ツアーのライブ作品、1曲目のfantasyにおいてサビが流れた瞬間の大歓声。
これは数ヶ月前から車のCMで大量オンエアされ、耳にサビが染み付いていたリスナーの

「これあのBMWのCMのやつやんけええええええおおおおおおおお!!!!」

という心からのリアクションが表れた瞬間でした。


もしその経緯をご存知ない方で映像作品をお持ちの方がいれば、もう一度見直してみてください。


作った曲は惜しまず聴いてほしい、良い音質で。という考えのもと
全23曲入りハイレゾ音源USB収録アルバムという。とんでもない物を作りました。
勿論通常盤も製作し、ここからMr.Childrenを聴き始めるというファンの方も購入しやすい様な仕様に。



全球種を投げきった内容

23曲と言う事で本当に様々な曲が収録されています。
作ったままお蔵入りにして死んでしまったら勿体無い、という思いからで出来上がったボリューム。
リスナーによって「これこそがMr.Children」という曲のイメージがあるだろうが
その期待されている物に全て応えられるだけのポテンシャルを持ったアルバムに仕上がっている。



音に関しても「スタジオでミックスした音をそのままオーディオでも再現したい」
との思いから、なるべくダウンコンバートを避けた、芯が強くメリハリの効いたしなやかな音像になっている。

小林武史は前作『(an imitation) blood orange』(以下aibo)で
携帯電話で音楽を聴く人が増えているおり、それに合わせて聴きやすいフラットな感じにしている
と語っていた。

オーディオがある人は今すぐ確かめてみてほしい。
1〜2曲程2つのアルバム曲を聴き比べてもらえば、恐らく直ぐにその違いがわかると思う。


テレビなどのメディア露出

リリース時には様々な雑誌、テレビ、メディア、街頭広告によって宣伝が行われました。
駅の巨大スクリーンでのアルバム宣伝映像、ターミナル駅での先行無料視聴。


テレビではSONGSという番組はで2回に渡り特集が組まれました。
新曲放送編も勿論ですが、何より濃い内容だったのはドキュメンタリー編でした。

小林武史をとの関係性から離れた新Mr.Childrenとしてのアルバム製作を追った内容でした。

レコーディング風景や、アルバムの中心となる『足音 〜Be Strong』『Starting Over』などの製作にスポットを当てた充実の内容でした。
そのドキュメンタリーからは新たな一歩を踏み出す4人の奮闘絆の深さを感じ取る事ができました。

特別ファンではない職場の同僚が
「4人の音楽に対する姿勢がすごく良くて、桜井さんだけでなくメンバーが4人が素晴らしかった。ライブに行きたくなった」
と話してくれたのが今でも印象に残っています。


こんな盛りだくさんの内容で生まれた1枚。
リリース当時はファンならずとも、大きな話題となりました。



未完ツアーの軌跡

新たなスタートとして動き出したMr.Childrenを飾ったアルバムREFLECTION。
そのアルバムを引っさげたREFLECTION〜未完ツアーには大きな3つの力がありました。

楽曲の聴こえ方を変えた音楽の力

REFLECTIONのツアーは大きく
アリーナツアー(REFLECTION)とスタジアムツアー(未完)に分かれる。



先に紹介をしましたが、前者のREFLECTIONツアーに参加したリスナーは当然新曲を初めて
(一部ライブハウス披露の数曲を除き)耳にします。

その感動は今までには無かった物だった筈。
勿論人によって「新鮮で楽しかった!」という人もいれば
「ちゃんと聴き込んでからライブに参加したかった」という様々な意見があった。


だがメンバーは新鮮なを音楽に触れる楽しさを提供する事を優先した。


すると
アリーナで初めて聴く→アルバムが発売し楽曲を聴き込む→スタジアムで聴く
という順序ができあがる。

これによって何が起こるか

同じ曲を聴いても、一回目と二回目で印象の変化が起こります。


何の準備もせず音楽のシャワーをただ浴び
自分の様々な生活の風景に重ねる、思いをのせる。
一人ひとり固有の音像や思い出が出来上がった状態で、再びスタジアムが音楽で満たされる。



ツアーを通して曲がやアルバムが成長する、というのは表現として稀にある事だ。

例としてあげると
エソラという曲はツアーを通してよりリスナーの心を掴み
公演を重ねる毎に会場の温度を上げる大事な曲になっていったと桜井和寿は語ってます。


曲の成長も勿論ある。
しかしそれ以上に今回のREFLECTIONの曲たちは、様々な人の中に入り込み違った変化をしていった。
そうやってまた音楽の持つ力を感じ、日常に戻っていく私達リスナー。
このやり取りこそが、Mr.Childrenのコンサートが持つ魅力なのだろう。



ツアーを動かした力

これまでのアルバムやツアーは小林武史がプロデューサーとしてメンバーを導き、Mr.Childrenという物を作っていった。
アルバムにしてもライブにしても、小林武史の影響という物は大きい。スポーツで言う監督にあたる作業だ。

アルバムのテーマ、セットリストの自然な流れ、演出、アレンジ、アーティストの魅せ方。
様々な所に彼の総合的なジャッジやサポートがあってMr.Childrenが完成していた。


しかし今回はメンバーがアルバム製作だけでなく舞台演出やセットリスト。
様々な部分でスタッフだけでなく自分たちが積極的に関わり
作品を作り上げていく必要があった。


勿論そこには大きな不安プレッシャーがあったとは思うし
だからこその団結力をドキュメンタリーでは垣間見えた。


「未完をやってここまでこれたじゃないか」

後にリリースされるヒカリのアトリエという映像作品の中で田原健一はこう語っている。
私達の中では、Mr.Childrenの様なモンスターバンドはアルバムをリリースし
アリーナやスタジアムツアーをする事を何処かで普通の事と思ってしまう時がある。
勿論それだけのキャリア実力における裏打ちからだ。


しかしこの言葉を聞いて、ハッとさせられる。
物凄い重圧の中で、この大きな出来事を乗り越えた
からこそ重みのある言葉。
その言葉からは不安に打ち勝った自分たちを誇る気持ちを感じ取る事ができた。


REFLECTIONを生んだ力

東日本大震災後の音楽の在り方。
多くのミュージシャンがぶち当たった問題だ。

収益を義援金にあてる、そのための曲を作るのはどうだろう?
というアイデアがあがった。
でも曲を作って人を感動させるという行為も、この災害を前に不純に思えてしかたなくて

かぞえうたリリース時の桜井和寿コメントより引用


音楽に対して繊細になったり慎重にならざるを得ない状況で、勿論普段と同じパフォーマンスは難しい。

以前から彼は
音楽で人生を変える事などできるとは思っていないが、小さな種を植える事はできる。
という趣旨の発言をしています。


桜井和寿は『かぞえうた』という曲でこの役割を静かに全うした。
そんな中で出来たaiboは、やはり音楽家のエゴや表現が少ない作品だ。
その後にメンバーへデモテープとして届けられたのが『WALTZ』など、激しい衝動を持ったメロディだった。


こういった次へ続く反動があったからこそREFLECTIONの一部は出来上がった。
JENはこの方向性に次なる一歩への期待を覚えた。
一方の田原はこのまま進んだらどうなるのか、と考えると不安だったという。
しかしレコーディングが終盤になると、しっかり『幻聴』の様なMr.Children
求められている曲を仕上げてくるあたりは、流石のバランス感覚だ。


小林武史からの独り立ち

POPSAURUS2012ツアー後の食事の席で、小林武史はナカケーとJENに
「今回のツアーで自分にやり切った感があり、ひと区切りつけようと考えている」
という趣旨の発言をし、二人はこれに対し留まる様冗談の様に促した。

次作としてaiboは製作されたが、その後結果的に分社化し小林武史はプロデュース業から手を引いた。

決まって世間では必ず出る様な不仲という噂ではなく
桜井もREFLECTIONにあたるアルバムは共同製作するつもりだったと言及しているし
田原も自分たちのみでやる事に不安を感じていた

以前からその雰囲気はあって、来るべくして来たという事だ。


彼は監督の様な存在だ。
Mr.Childrenだけの力では表現しきれない楽曲やコンサート演出、アーティスト像。
それらをうまくパッケージングし、大衆により良いかたちで届けるという役割を長きに渡り担ってきた。


育ての親でもあり、事務所社長でもある彼が
提案するレールの上を自分たちの色をつけて走ってきた様な物だ。


しかし彼は結果として離れた。
それは自分のレールを走っていないMr.Childrenを見たいという気持ちもあったのかもしれない。

Mr.Childrenがこう、事務所も変わったし小林さんもいなくなったから
僕の中ではもうこのタイミングで
ああMr.Children良くなくなったよねって思われることが何よりもイヤだったし
プレッシャーでもあった
ドキュメンタリー SONGS桜井和寿コメントより引用

全て自分たちで背負い、超えていかなければならない。
この力こそ何より、REFLECTIONという大傑作を生んだ原動力となったのだろう。




REFLECTIONから続く、重力と呼吸

彼らの最新作はセルフプロデュース二枚目の重力と呼吸だ。
このアルバムはロックバンドとしての芯と重みがある潔い一枚になった。

濃いアルバムにしたかったんです。なんて言うんだろう
『リスナーがそれぞれに、好きな景色をイメージして聴いてください』
っていう音楽をずっと作ってきたけれど、このアルバムに関しては自分たちの自我が強く出ていると思います

「いつまで叫び続けられるんだろう」――桜井和寿、26年目の覚悟 より引用

そんな作品をリリースできたのも、REFLECTIONで揺るぎのない自信をつけたからにほかならない。

この流れを経て変わり続ける彼らの次作は、一体どんな物になるのだろうか。


育ての親から羽ばたく一羽の鳥の様に。
未完の果てへ飛んでいく彼らの音楽が
これからも楽しみでならない。

www.housework-kuma.com

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