映画『はじまりのうた』が人生を一歩進めてくれる作品の理由【何度も観たくなる】

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はじまりのうた 映画 MOVIE
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僕は『はじまりのうた』が大好きです。

ただ観ているだけで元気が出る映画ってありますよね。この作品もそんな部類に入る映画だと思います。

けれどこの『はじまりのうた』はそれだけでは終わらない映画なんです。

 

この映画を観た後は絶対に
『誰もが心の奥に持っている大切な気持ちに気付ける』

そんな作品なんです。

映画が好きな人、音楽が好きな人
どちらの方も絶対に楽しめる作品の良さを伝えます。

『はじまりのうた』あらすじ

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グレタ(キーラ・ナイトレイ)は、ミュージシャンの恋人デイヴ(アダム・レヴィーン)と共作した曲が映画の主題歌に採用される。そして彼とニューヨークで暮らすことにし、瞬く間にデイヴはスターとなった。
しかしある事をきっかけに二人の関係は終わりを告げる。グレタは小さなバーで歌っていると偶然にも音楽プロデューサーを名乗るダン(マーク・ラファロ)にアルバムを作ろうと持ち掛けられる。
この二人の関係が、周りを音楽で巻き込む出来事に繋がっていく…

『はじまりのうた』の愛すべき所とは?

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僕は基本的にサスペンスやヒューマンドラマが大好きです。
こういった単純に元気が出る!というタイプの映画は好んで観賞しません。

映画を観るなら深く考える様な内容だったり、自分の感受性を豊かにしてくれるような作品に意味があると思っているからです。
作品に何を求めるかは人それぞれだと思うのですが、消費されるような映画とは距離を置きがちです。

けれどこの『はじまりうのうた』はそんな考えを吹き飛ばしてくれる様な映画です。

観賞した後に単純に観て良かった!と素直に感じられるんです。

 

ラブストーリーとヒューマンドラマのど真ん中

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この作品では音楽を通して出会った人たちが、次第に打ち解けていく様子が描かれています。

偶然出会った男女、かつて愛し合った夫婦、繋がりから生まれた仲間
それぞれが音楽を通して互いを認め、成長し合っていく。

この映画がとても気持ち良いのは、愛にも友情にも偏らない人間同士の繋がりが描かれているからだと思っています。
勿論劇中には、登場人物が恋愛感情を表現する描写がいくつかあります。

けれどこの感情は全て、音楽に繋がっているんです。

昔の恋人であるグレタに想いを馳せるデイヴ
恋人を失い音楽に希望を見出すグレタ
音楽製作を通し友情とも愛情とも取れる感情をグレタに抱くダン
父親であるダンの愛情を求めるバイオレット

それぞれが音楽を通し愛情を持っています。
だから単なる恋愛感情が芽生えたり失ったりしても、人間的な部分で互いを尊敬している。

そんな繋がりの元に展開されるストーリーだから、単なる恋や愛という関係性で完結しない。
劇中において人と人の繋がりが見える事によって、単に消費される作りになっていない。

この映画は自分の小さな気持ちを満たしてくれる様なインスタントな作品ではなく、音楽という文化を通して人と人の繋がりを描いた普遍的な感情が盛り込まれている。

だから、何度も何度も観たくなるんです。

魅力的な登場人物たち

デイヴとグレタの『Lost Stars』

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最後にデイヴがグレタを招待したライブ。ここで『Lost Stars』を演奏するシーンがあります。
この曲はグレタがデイヴに作った曲であり、二人の想い出の曲です。

スターとなったデイヴがリミックスした楽曲は、かつての二人の曲の面影を無くし、別の物になっていました。
グレタを招待したデイヴは以前のアレンジで唄い、彼女への想いを特別な形で表現しますが、グレタは会場から去っていきます。

なぜなら今やその楽曲を求めているのはグレタだけでなく、大勢のファンになったからです。
この曲はもう二人だけの楽曲ではありません。

グレタはその光景を目にし、会場を去りました。

しかしそこには彼が成功した事、二人の楽曲が多くの人々に耳に届いている事、かつての想いを少しでもデイヴが表現してくれた事、
そんな様々な気持ちが溢れ、グレタは受け止めきれなかったんだと思います。

けれどそれは決して終わりでも悲しい事でもありません。だから彼女は自転車を走らせ、次の一歩を進めようと決めたんです。


ダンが取り戻したもの

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彼は音楽プロデューサーですが暫くヒットに恵まれず、家族との関係性も冷めてしまっていました。
仕事も失いかけ娘にも見放され、前へ進む希望を無くしかけた地下鉄のホーム。

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駅から出てふち立ち寄ったバーで、彼はグレタの音楽に出逢います。

そこで彼が見たのは、音楽の魔法でした。

自分の耳にアレンジが自然と聴こえてきて、周りの景色は自分の世界に変わる。
グレタと出会った事で、彼の未来は大きく変わりました。

共にアルバムを作る事で音楽に携わる喜びを感じ、仲間や家族と心を通わせることの大切さに気付いていったんです。

音楽を作る事でダンなりの父親らしさをバイオレットに伝え、そして彼女を理解しながら音楽の喜びの中へ巻き込んでいきました。
そこには妻であるミリアムの家族愛や、グレタのとの繋がりによる手助けがありました。

音楽は単なるツールではなく人と人を繋ぐ大切なものであり、自分も音楽によって自分らしく生きる喜びを勝ち得ていったんです。

不規則であり酒に溺れる様な怠惰な生活をし、家族や仕事仲間の信頼を失っていた彼の姿はもうそこにはありません。
彼は音楽を通し確かに変わり、自分に自信をつけていきました。自分を開き周りと共に自分なりの成功をしていく事で、絆を深めていきました。

だからこそ最後にグレタとハグをしたシーンには、多くの感情が表現されています。

きっかけを与え、自分の在り方を取り戻させてくれたグレタ。そこに少しだけ入り混じる愛情。
この時の表情や仕草が、彼の心情を語っています。これからの期待と、ほんの少しの余白を残して。

この作品の原題である『BEGIN AGAIN』
彼はもう一度新しい自分を始められる様になり、また音楽と進んでいきます。

バイオレットの成長

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ダンの娘であるバイオレット。彼女もこの劇中で大きく成長する一人。
両親であるダンとミリアムの言い争いに対し、部屋で1人ギターを触り気を紛らわす彼女。

両親の不仲が続き、彼女の心は愛情を求めていました。
多感な年ごろである彼女は他者の気を引こうと派手な服装で自分を装い、自分の心を隠します。

けれどその心の奥底は好意を抱いている異性に上手くアプローチできなかったり、ギターの腕に自信がなかったりと、素直に自分を表現できない10代特有の気持ちを抱えています。

その心はグレタとの触れ合いにより少しずつほぐれていきます。
自分の心の内を少しづつ打ち明け、素直に相手のアドバイスを聞くように変わっていく姿。

そんな彼女は音楽と人の繋がりによって成長しました。

グレタとダンたちのアルバムレコーディングも終盤にさしかかる中、屋上で収録された『Tell Me If You Wanna Go Home』
この曲で収録を見に来たバイオレットは、バンドメンバーから演奏に参加する様に誘われます。

自身が無かったバイオレットですが、父ダンのフォローやバンドメンバーの明るい誘いもあり自然に音楽に入っていきます。

そこで彼女はアドリブでギターパートを演奏します。
NYのビルの屋上で夜にレコーディング。こんな刺激的なシチュエーションで仲間と共に音楽を作る。

彼女にとってこの夜の大きな成功体験は自分に自信をつけ、くすぶっていた気持ちを変えていきます。
アルバムが完成した後のパーティーや、ダンと車で話すシーンの笑顔は今までにないくらい輝いています。

きっと彼女にとって『父親と音楽をつくった』という出来事が、何よりもかえがたい真珠の様な輝きをした想い出になったんでしょう。

音楽という魔法の素晴らしさ

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この作品ではグレタとダンが打ち解け合い始めお互いのプレイリストを見せ合うシーンが登場します。

プレイリストは趣味趣向が詰まった物であり、その人物の深層心理が出ます。
つまりこのシーンは自己開示をして、お互いをさらけ合いだすというメタファーになっていますよね。

ここで二人は本当の意味でお互いに触れ、音楽を通して心を通わせていくんです。

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ステレオジャックが二つに分かれたイヤホンで、互いのプレイリストを聴き盛り上がる二人。

大音量のクラブ、地下鉄の車内、夜の雑踏、人が行きかう公園、街灯やネオンが眩しいタイムズスクエア

何の変哲もない風景や見慣れた街並みも、音楽が魔法をかけてくれる。
自分の心情を映しだした景色はやがて宝石の様に輝き、心の中にある大切な物に気付かせてくれる。

僕も音楽が大好きなのですごくよくわかるんですけど、ふっと違う世界に連れて行ってくれるんです。音楽ってやつは。
自分の事を誰よりもわかってくれている様にも思えるし、そこに答えや希望を提示してくれる時だってある。

この世界の中で自分が主人公である事は誰しもが当たり前な筈なのに、それを忘れてしまう毎日。
けれど音楽はいつだって自分が世界や物語の主人公である事を思い出させてくれるし、その音楽が自分の人生の一部になる。

そんな景色が見えるのはすごく幸運な出来事。
だから人々は音楽を支えに、日常の1ページに、自分のアイデンティティにしようとする。

その音楽で人と心が通った時、きっとそれは小さな奇跡を起こしている筈です。
音楽が人の心を豊かにし、人の心はまた音楽を求めます。

ダンは劇中でこう言います。

平凡な風景が意味のあるものに変わる。陳腐でつまらない景色が美しく光り輝く真珠になる。音楽でね。

人はみな人生に迷い、生きる意味を探します。
そんな風景が意味のある物に変わるとき、自分の人生をまた一歩進める力が生まれるのかもしれません。

二人がパーソナルな部分を見せ始め、音楽を聴きながら街を歩いて語り合うこのシーン。

僕が映画の中で最も好きなシーンです。

 

前へ進む力を貰える作品

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この作品の特徴として、嫌なキャラクターは登場しません。みんないい人なんです。
登場するキャラクターは、それぞれ辛さや悩みを抱えています。

けれどそんなマイナスな心情を誰のせいにすることなく、互いに支え合って生きているんです。
日々辛い気持ちを持っているけど、誰かの影響を受けて少しずつ前に踏み出し始める登場人物たち。

そんな登場人物たちがすれ違ったり支え合いながらも、NYの街で一つ作品を作り上げるって素晴らしい事ですよね。
みんなが音楽が大好きだっていう事がシーンの一つひとつから伝わってきますし、観ているこちらも体が自然に動くんです。

思わず体が動くというか、心が動いてしまう。そんな気持ちにさせてくれる作品です。


この作品は良い意味で説明が無いんです。

誰かが誰かに恋をしたり、悲しみを伝えたり、同じ気持ちを持ったり

セリフで説明していないんですよね。回りくどく、説明臭くない。

自分の中で大切な事に気付いた時も
バンドや家族の気持ちが通じ合った時も
かつての愛する人と想いがすれ違った時も
夫婦がかつての関係を取り戻した時も

ただ誰かが唄っているか、その景色の後ろに音楽が流れているだけなんです。
その時の気持ちや出来事は全て音楽が僕らに伝えてくれるんです。

劇中に出てくる人物はみんな音楽が好きですよね。
だから彼らの本当の気持ちが真っすぐに伝わってくるんです。

この作品に言葉はいらないんです。
そこに音楽があって、人が唄って踊っていれば、それでいいんです。


だから僕はこの作品を何度も何度も観ています。
自分も宝石の様に輝いた景色を明日は観たいから。前に進みたいから。

最高の映画だと思います。『はじまりのうた』

www.housework-kuma.com

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